「ヤスデが大量発生する原因」から「ヤスデには天敵がいないという噂」まで、ヤスデにまつわる情報は多岐にわたります。
多くの人々が気になっている問題の一つに、ヤスデが家の中に侵入しなくなる方法というものがあります。
ヤスデは自然環境の変化や特定の条件下で異常繁殖することがあり、時には家の中に侵入することも。
この記事では、ヤスデの生態や行動パターンを詳しく解説し、効果的な対策法を紹介します。
また、ヤスデ対策に効果のあるハーブや、よく耳にする天敵に関する噂の真偽についても掘り下げていきます。
ヤスデの予防策について、まずはその基本を理解することから始めましょう。
記事のポイント
- ヤスデが大量発生する原因とその背景について
- ヤスデに関する一般的な誤解である「天敵がいない」という噂の真相
- ヤスデが家の中からいなくなるための効果的な対策方法
- ヤスデ対策に効果がある自然由来のハーブについて
記事内に虫の写真はありません。虫嫌いの人も安心してお読みください。
ヤスデの天敵とは?その生態と特徴について
- ヤスデとは?その生態と特徴
- ヤスデが大量発生する原因
- ヤスデが家の中に1匹いたら
- ヤスデが家の中に入ってくるのはなぜ
- ヤスデには天敵がいないという噂とは
ヤスデとは?その生態と特徴
ヤスデは、節足動物門に属する多足類の一種です。
胴体は細長く、体長は2~8cmほどです。
多数の脚を持ち、ムカデに似た外観をしています。
日本では約300種類が確認されているようです。
野外では森林内の落ち葉や倒木の下など、湿度の高い環境に生息しています。
夜行性で、昼間は落ち葉の下などにひそんでいます。
食性は腐食性で、落ち葉、腐葉土、朽ち木などの腐植物質を食べています。
自然界において、こうした腐植物質を分解する大切な働きをしていると言えます。
これがヤスデが益虫とされる理由です。
一方で、大量発生することもあり、その多足の姿から不快害虫として扱われることも。
ヤスデへの評価は分かれる存在です。
ヤスデが大量発生する原因
ヤスデが大量発生する原因は以下のようにまとめられます。
- 卵の産出量
ヤスデは1匹あたり150〜300個もの卵を産む。
- 幼虫の集団行動
孵化した幼虫は集団で行動し、条件が整えば異常繁殖しやすい。
- 生息環境の変化
リフォーム工事や造成工事で生息地が失われると、ヤスデは新たな場所へ移動し数を増やす。
- 雨の影響
長雨により浸水したヤスデが高台を求めて集団移動する。
- カルシウム摂取
新築のコンクリートに含まれるカルシウムを摂取するために群がることもある。
- 梅雨時期の影響
梅雨時期は特にヤスデが地表に出やすく、大量発生のリスクが高まる。
この中でも特に梅雨時期はヤスデには要注意です。
幼虫が地表に現れやすいので、早めの対策が必要不可欠です。
ヤスデが家の中に1匹いたら
家の中で1匹のヤスデを発見した場合、放置せずに早めに駆除する必要があります。
理由は次の3点です。
まず、ヤスデは集団行動の性質があるので、1匹見つかればまだ他にもいる可能性が高いです。
次に、1匹が産んだ卵から大量のヤスデが孵化する可能性があります。1匹で150個以上の卵を生みます。
さらに、ヤスデの死骸の匂いに釣られて他のヤスデが家に集まってくることもあるでしょう。
以上の点から、家の中でヤスデを1匹発見したら、すぐに駆除しましょう。
予防策や駆除方法については記事の後半で解説いたします。
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ヤスデが家の中に入ってくるのはなぜ
ヤスデが家に侵入する主な理由は、自分の生息地が不安定になった際に、家を「安全な避難場所」として見つけることです。
特に長雨により自然環境が変わったり、エサ不足に直面したりした場合、ヤスデは生存のために家の中に移動します。
これらは、ヤスデが「自身の領域を失った」と感じる状況の典型です。
ヤスデが家に入る一般的な経路には、通気口や外壁、地中からの侵入が含まれ、家の微細な隙間を利用することもあります。
外の環境が厳しくなると、ヤスデはさまざまな方法で家に入ろうとします。
したがって、ヤスデの生息域を制限することが、これを防ぐ効果的な手段となります。
通常、ヤスデは地中で生活しており、雨が多い時期には高い場所に逃れる傾向があります。
特に梅雨の時期には、ヤスデが雨を避けて家に侵入することが多くなります。
また、ヤスデの生息地で庭の改装や駐車場の工事が行われると、ヤスデがその地域から追い出され、家に侵入する可能性が高まります。
これらの事実から、ヤスデが家に入る主な理由は、環境の変化や生息地の喪失による避難行動にあると結論づけられます。
ヤスデには天敵がいないという噂とは
ヤスデに天敵がいないという噂は、彼らの独特な自己防衛機構から生じています。
ヤスデは捕食者に遭遇すると、悪臭腺から刺激物質を含む液体を排出します。
この液体は強烈な匂いがあり、多くの動物がヤスデを避ける原因となっています。
一部の動物はヤスデを口にした後で吐き出すこともあるため、これが「ヤスデには天敵がいない」という誤解を生んでいます。
この噂は、ヤスデのこのような防御反応を目撃し、誤解した人々によって広まった可能性が高いです。
ヤスデの体から出る液体の効果は確かに強力ですが、それがすべての捕食者を遠ざけるわけではありません。
しかし、一般的にはヤスデが捕食者に対して効果的な防衛手段を持っているという認識が広がり、天敵がいないという噂が定着してしまったのです。
ただ、他の虫に比べてヤスデには天敵が少ないのも事実だと言えるでしょう。
ヤスデの天敵とは?効果的な予防策と駆除方法
- ヤスデにも天敵とは?ヤスデを捕食する生き物たち
- ヤスデ対策として効果のあるハーブとは
- ヤスデがコンクリートを食べるって本当?
- ヤスデが家の中からいなくなる方法
- ヤスデ駆除に石灰は効果ある?
- ヤスデ駆除にハイターは効くのか
ヤスデにも天敵とは?ヤスデを捕食する生き物たち
前述の通り、ヤスデには天敵が存在します。
それらの生き物はヤスデが独自の防衛機構を持っているにもかかわらず捕食します。
具体的には、鳥類、特定の猿(アカビタイキツネザルなど)、カエル(アフリカウシガエルなど)、サシガメ、トカゲ(カナヘビなど)、猫、そしてアリがヤスデを食べる主な天敵です。
これらの生き物は、ヤスデの排出する刺激物質にもかかわらず、彼らを食料源として利用しています。
特に鳥がヤスデを捕食することがよく観察されています。
また、アリやトカゲのような小型生物もヤスデを食べることがあります。
これらの天敵の存在は、ヤスデの個体数を自然に調整し、生態系のバランスを維持する重要な役割を担ってるようです。
この情報から、ヤスデに天敵がまったくいないというには誤解の可能性が高いです。
外来種である「ヤンバルトサカヤスデ」も天敵がほとんどいないとされていますが、幼齢期にはアリにも食べられることやヤスデを選択的に食べるビロードサシガメの存在が報告されています。
※上のリンクには虫の写真がありますのでご注意ください。ヤスデ対策として効果のあるハーブとは
ヤスデ対策として、ハッカ油が有効であることが近年注目されています。
ハッカ、一般にミントとも呼ばれるこの植物は、その葉から抽出されるハッカ油に清涼感のある香りが特徴です。
このハッカ油は、ヤスデだけでなくムカデを含む他の害虫に対しても忌避効果を持っています。
ハッカ油は、スプレー状にして使用することができ、これによりヤスデの侵入を効果的に防ぐことが可能です。
ハッカ油スプレーの利用方法は簡単です。
ハッカ油を水で薄め、スプレーボトルに入れて使用します。
このスプレーを家の周辺やヤスデが侵入しやすい場所に噴霧することで、ヤスデを遠ざけることができます。
また、ハッカ油の防臭効果や冷涼効果も人間に利用できるため、夏場の虫除けとしても役立ちます。
ただし、ハッカ油はネコなどのペットには強すぎる可能性があるので、ペットを飼っている場合は使用に注意が必要です。
自然由来のハッカ油は、化学的な害虫駆除剤の代替品として、安全で環境に優しい選択肢となります。
ヤスデがコンクリートを食べるって本当?
インターネット上でよく目にする「ヤスデがコンクリートを食べる」という話は、実際に根拠があります。
新しいコンクリートには水酸化カルシウムが含まれており、ヤスデはその外骨格の形成に必要なカルシウムを求めてこれを摂取します。
このため、新設されたコンクリートの周辺ではヤスデがカルシウムを求めて集まることが観察されているようです。
カルシウムが豊富な新しいコンクリートは、ヤスデにとって特に魅力的な食料源となります。その結果、新しいコンクリートの場所ではヤスデが群がる現象が発生します。
また、ヤスデは集団で行動する傾向があり、カルシウムが豊富に存在する新しいコンクリートのエリアではヤスデの大量発生が見られることがあります。
このような情報がネット上で共有され、「ヤスデがコンクリートを食べる」という話が広まったと考えられます。
ヤスデが家の中からいなくなる方法
ヤスデを家の中からいなくするためには、「侵入させない」ということが重要です。
以下に効果的な対策を紹介します。
・忌避剤や殺虫剤の使用
家の周辺や入り口に忌避剤や殺虫剤をスプレーしましょう。
これでヤスデが家に近づくのを防げます。
・侵入防止策
ヤスデは滑りやすい面を歩けないため、家の基礎や塀の端にガムテープや金属板を貼ることが効果的です。
これにより、ヤスデの侵入経路を塞ぎます。
・家の周りをきれいに保つ
家の周囲を清掃し、特に側溝をきれいにして水はけを良くしましょう。
これでヤスデが好む湿った環境を防げます。
・隙間を塞ぐ
ヤスデが入り込める隙間や亀裂があれば、
それらをコーキング材などでしっかり塞ぎます。
これらの対策を行うことで、ヤスデが家の中に侵入するのを効果的に防ぎ、いなくなるようにすることができます。
ヤスデ駆除に石灰は効果ある?
ヤスデ駆除において石灰の使用は一定の効果があるとされています。
園芸用の石灰、特に「消石灰」として知られるものが有効です。
消石灰は、土壌改良剤としても用いられる物質で、湿気に触れるとアルカリ性に変わる特性を持っています。
この性質を利用することで、ヤスデの侵入を防ぐことが可能になります。
ヤスデが家に侵入しないようにするためには、家の周囲に消石灰を撒くことが推奨されます。
ただし、消石灰は雨で流れやすいため、天候を考慮して撒くことが重要です。
また、消石灰は湿気を含むとアルカリ性に変化するため、密閉して保管する必要があります。
石灰を撒く際には、皮膚への刺激を避けるためにも、手袋やマスク、ゴーグルを着用することが望ましいです。
これらの注意点を守りつつ、ヤスデを寄せ付けない効果を期待することができるのです
ヤスデ駆除にハイターは効くのか
ハイターは一般的に家庭で使われる洗浄剤であり、その主成分である次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化力を持ち、様々な有機物を分解する能力があります。
この特性から、ハイターはヤスデ駆除にも効果的とされています。
ヤスデは外骨格を持つ昆虫であり、ハイターの酸化力はこれに直接作用し、ヤスデの体内組織を破壊して即座に死滅させることができます。
また、ハイターは床や壁に散布することでヤスデの侵入経路を塞ぐ効果も持っています。
ヤスデはハイターが散布された場所を避けるため、ハイターの使用は家の中へのヤスデの侵入を防ぐのに役立ちます。
しかし、ハイターの強力な臭いはヤスデにとって不快であり、これが駆除を促す一因となります。
ただし、ハイターを使用する際には注意が必要です。
その強い刺激臭は人間にとっても不快であり、誤って摂取した場合は健康に害を及ぼす可能性があります。
ハイターの酸化力は即効性がありながらも持続性は低いため、効果を維持するためには定期的な再散布が必要となることを理解し、適切な取り扱いを心がけることが重要です
ヤスデの天敵と予防策について総括
以下、この記事のポイントをまとめます。
まとめ
- ヤスデとは多足類の一種で節足動物門に属する
- ヤスデの体長は2~8cm程度で胴体は細長い
- 日本では約300種類のヤスデが存在する
- 野外でヤスデは湿度の高い環境に生息し、夜行性で昼間は隠れる ヤスデは腐食性で、落ち葉や腐葉土を食べる
- 自然界でヤスデは腐植物質を分解する重要な役割を果たす
- ヤスデは集団で行動し、大量発生することがある
- ヤスデの大量発生は生息環境の変化、長雨、カルシウム摂取が原因
- 家の中でヤスデを見つけたら早急に駆除する必要がある
- ヤスデが家に侵入する主な理由は、生息地の不安定化による避難行動
- ヤスデの防御機構による悪臭腺の液体排出が天敵がいないという誤解を生む
- ヤスデには天敵が存在し、鳥類、猿、カエル、サシガメ、トカゲ、猫、アリが含まれる
- ヤスデ対策にはハッカ油が効果的で、安全かつ環境に優しい
- ヤスデが新しいコンクリートの水酸化カルシウムを摂取することで大量発生することがある
- ヤスデ駆除には石灰が有効であるが、雨で流れやすく、皮膚への刺激に注意が必要 ハ
- イターはヤスデ駆除に効果的だが、刺激臭があり、人体に対する安全性に注意が必要