最近、トコジラミ(南京虫)の被害が増えているようです。
なんでも、2023年はフランスでトコジラミが大量発生しており、社会問題にまで発展していると報道されています。
日本でも人の往来が活発になると同時に、トコジラミの被害も増える傾向があるので注意が必要です。
そして、このトコジラミという害虫は血を吸ってフンをする習性があります。
そのためトコジラミのフンを見つけた場合は、トコジラミが発生している証拠ですので早めの対処が必要です。
この記事では、トコジラミのフンの特徴と、フンを見つけたら取るべき対処法について解説します。
記事のポイント
・トコジラミ(南京虫)のフンの特徴と見分け方
・トコジラミのフンを見つけた時の対処法
・トコジラミのフンが見つかる場所
・フンの量から推測されるトコジラミの被害状況
記事内に虫の写真はありません。虫嫌いの人も安心してお読みください。
トコジラミのフンの特徴と見つけた時の対処法
トコジラミ(南京虫)のフンの特徴とは
トコジラミはカメムシ目に属する吸血昆虫であり、主に人間や動物の血を吸って生活しています。
そして、トコジラミは吸血後、消化された老廃血をフンとして排出します。
このフンには以下のような特徴があります。
- 色は赤褐色や黒褐色
- 大きさは1~2ミリ程度の小さな点
- 古いフンは時間の経過とともに色が濃くなる
- フンは固着性が強く、簡単には落ちない
- フンの周囲は若干汚れる
トコジラミのフンはホコリやゴミとはまったく異なり、はっきりとした小さな点として認識できます。
布団のシミなどと間違えやすいので、よく確認しましょう。
トコジラミがフンを排泄する時
トコジラミは卵から孵化すると幼虫から成虫に至る全てのステージで吸血し、血液を栄養として成長すると言われています。
そして、人の血液を吸うと血糞という糞をするため、フンは血が混ざった赤っぽい糞(血糞)であることが多いです
このようなことから、トコジラミのフンがあるということはすでに成長過程にあるトコジラミが家にいるかもしれません。
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トコジラミのフンを見つけたらどうする?
トコジラミのフンを見つけた場合は、すぐに以下の対処を取る必要があります。
トコジラミのフンを見つけたら
1. フンを写真に撮影する
まずはスマホやデジタルカメラで、発見したフンの写真を撮影します。
写真があれば、後で駆除業者に依頼した際に状況説明がしやすくなります。
日付入りの写真データは証拠としても重要です。
2. フンがついたものは隔離する
フンが付着した布団、シーツ、カーテンなどはすぐに回収し、ビニール袋に入れて密閉します。
トコジラミが逃げ出すのを防ぎ、隔離します。
3. 掃除機で周囲をきれいにする
フンを発見した周辺は、掃除機で吸引してきれいにします。
死骸や卵も回収します。
掃除機のゴミはすぐに捨てることをおすすめします。
4. 駆除業者に依頼する
自力での駆除は難しいので、すぐにプロの駆除業者に依頼しましょう。
トコジラミの生態を調査し、根絶する必要があります。
トコジラミのフンを発見したら、上記のような対処を取ることが重要です。
放置すると被害が拡大しますので、早めの駆除が必要不可欠です。
トコジラミが発生したら保健所に届け出が必要?
トコジラミは衛生上の害虫ではありますが、届出義務のある感染症ではありません。
法律で定められた届出義務のある疾病ではないため、保健所への届け出は法的には必要ないと言われています。
しかし、トコジラミの発生と拡大を防ぐためには、行政も早い段階で把握して対策を立てることが望ましいと考えられています。
そのため、多くの自治体ではトコジラミの発生届け出については【任意】と位置付けられており、住民には発生時の届け出を呼びかけています。
届け出があった場合、保健所が駆除業者の紹介や発生状況の調査、周辺住民への注意喚起などを行うことができます。
届け出に関しては被害拡大の防止と発生源の特定に役立つことから、トコジラミが大量発生している場合には近所の住民のためにも届け出する方が良いでしょう。
しかし、プライバシー保護の観点から、届け出者の個人情報は非公開とされているようなのでその点は安心です。
また、発生場所の特徴によっては、わざわざ届け出をする必要はないケースもあります。
状況に応じて保健所と相談しながら、届け出の必要性を判断するのが賢明だと言えます。
何よりも優先すべきは迅速なトコジラミの駆除対応です。
届け出はその参考情報として活用されるべきでしょう。
トコジラミのフンがある場所は?フンの量でわかる被害状況
トコジラミのフンはどこで見つかることが多い?
トコジラミは夜行性で、昼間は家具の裏や隙間、部屋の隅や天井、カーテンの裏、布団を敷く場所周辺など暗くて日光や部屋の明かりが当たらないような場所に隠れています。
トコジラミのフンは、血が混ざった赤っぽい糞(血糞)であり、シミのような汚れとして見つけることができます。
フンの形状は、トコジラミの体の大きさによって異なりますが一般的に、長さ1~2mm、幅0.5~1mm程度の細長い形状をしています。
トコジラミのフンは、トコジラミの存在を示す重要な手がかりとなります。
もし、以下のような場所でフンと思われるものを見つけた場合は、トコジラミの被害が疑われます
ベッド周辺
トコジラミが生息する場所として、ベッド周辺は最も重要です。
夜間に人が寝ている間に吸血する習性があるため、就寝者の近くにいる必要があります。
具体的には以下の場所で生息が確認されることが多いです。
- マットレスの縫い目やパイプ部分 - 縫い目に体を隠せる上、布の厚みがあるため安心できる
- ベッドの木製フレーム - 特に側面のすき間は隠れ家に適している
- ヘッドボードの背面 - 壁際が暗く安全な環境を提供する
これらの場所は人からの接触が少なく、日光が差し込みにくいため、トコジラミにとって理想的な生息環境となっています。
ベッド周辺の状況からトコジラミの生息の有無を推測できるため、点検が重要です。
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壁や天井の隅
トコジラミは光を避ける習性があるため、部屋の壁や天井の暗い隅に集まりやすいです。
- コンセントの周囲 - 配線の隙間が隠れ家になる
- 照明器具の裏側 - 光があまり差し込まない暗がり
- 壁と天井の境界線 - できる隙間は安全な空間
こうした照明器具などの陰は、トコジラミにとって光を遮断し、体を隠せる理想的な環境です。
壁に埋め込まれた物の周囲は要注意です。
トコジラミが好む暗がり・複雑な空間となります。
家具の隙間
ソファーやタンス、キャビネットなどの家具には多くの隙間があり、トコジラミにとって好適な生息場所となります。
- ソファの背もたれと座面のすき間 - 狭く暗い空間がある
- 引き出しの奥の隅 - 日光が届きにくく、見えにくい
- 木製家具の接合部 - 木と木の間に空隙がある
これらの隙間は狭く複雑で、トコジラミが光を避けて体を隠せる好条件となっています。
家具の構造上の隙間は要チェックポイントです。トコジラミの生息を示すフンが落ちている可能性があります。
トコジラミのフンの量から推測できること
トコジラミのフンの量から、ある程度その生息数や被害の状況を推測することができます。
- ごく少量のフン → 初期の発生段階
- 1ミリ四方程度に10個程度 → 中期の発生段階
- 密集していて数えきれない → 被害がひどく拡大している
少量のフンしかない場合は、トコジラミの発生が初期の段階であることを示しています。
1~2個程度のフンが点々としている状態では、まだ生息数は少ないと考えられます。
この段階では自分で駆除を試みることも可能ですが、すでに卵が産み付けられている可能性もあるため駆除業者に相談することをおすすめします。
フンの量がある程度集まってくると、10個程度が1ミリ四方の範囲内に存在する状態となります。
この程度になると生息数が相当存在する中期の発生段階と言えます。
フンの量から推測すると、10~30匹程度の生息があると考えられます。
この段階では駆除業者への依頼が必要不可欠でしょう。
さらにフンの量が増えてくると、あるいはフンどうしがくっついて小型の固まりになっているような状態は、被害が深刻な状況を示しています。
フンが密集して数えきれない程度になれば、生息数はさらに多いと推定できます。
この段階では被害が部屋全体に広がっている可能性が高く、専門業者による徹底的な駆除が欠かせません。
このようにフンの量と分布から、トコジラミの生息数と被害の広がりをある程度把握できます。
少量のフンが点在していれば早期発見と言えますが、多量の場合は手をこまねくことなく迅速に専門家に相談する必要があります。
フンの量を手がかりに、適切な対処を判断しましょう。
トコジラミ(南京虫)のフンについて総括
以下、記事の内容をまとめます。
まとめ
- トコジラミのフンは小さな赤褐色や黒褐色の点
- フンを見つけたら写真に撮影し、証拠とする
- フンがついたものはビニール袋に入れて隔離
- 掃除機でフンの周囲をきれいに吸引する
- 駆除業者に依頼して生態を調査し、根絶する
- ベッド周辺、壁や天井の隅、家具の隙間にフンがある
- フンの量で発生段階と駆除の難易度がわかる
- 早期発見、早期治療が成功へのカギ